武力紛争と国家主権に対する人道主義の規範的機能の解明
Project/Area Number |
07J03122
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
International relations
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上野 友也 Kobe University, 国際協力研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 人道支援 / 人道援助 / 難民 / 人道的介入 / 軍事介入 / 保護する責任 / 対テロリズム戦争 / 新しい人道主義 |
Research Abstract |
平成21年度では、武力紛争と国家主権に対する人道主義の規範的機能について、以下の3つの観点から研究を前進させた。第1は、人道支援の政治性の解明である。人道支援は非政治的行為であると一般に認識されており、政治学や国際政治学の中心的な研究課題ではなかった。このように非政治的行為と見なされている行為の政治性に関して、カール・シュミットの『政治的なものの概念』の議論を通じて解明した。これに関しては、平成21年11月、日本国際政治学会において報告し、研究成果を公開した。第2は、子どもの保護に関する人道規範と国連安全保障理事会の活動である。武力紛争における子どもの保護に関する人道規範が反故にされ、子どもが徴兵と徴用の対象となり、性的搾取と暴力の対象にもなってきた。このような子どもに対する暴力に、国連安全保障理事会がどのような決議を採択し,どのような対応策を採用し、国連平和維持活動の権限にどのように反映させてきたのかを解明した。これに関しては、平成22年3月に刊行されたアフラシア国際シンポジウムシリーズの第5巻において論文として公開した。第3は、これまでの研究課題の整理と出版の準備である。平成19年度から平成21年度までの武力紛争と人道支援に関する研究成果を整理し、単著を出版するための原稿の執筆作業を行った。原稿のタイトルは、『戦争と人道支援-戦争の被災をめぐる人道の政治』である。これは、人道支援がどのように戦争の被災を緩和してきたのかを解明することを通じて、戦争が紛争当事者間の戦いであるだけでなく、人道支援機関と紛争当事者との戦争の被災をめぐる戦いでもあったことを明らかにするものである。この研究成果を公表するために、平成22年3月に、第7回東北大学出版会若手研究者出版助成に応募した。なお、出版助成が獲得できた場合には、平成22年度中に東北大学出版会から出版される予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)