Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は、植物ウイルス感染により引き起こされる全身壊死誘導メカニズムの解明を目的としている。plantago asiatica mosaic virus(PIAMV)のLi1分離株はNicotiana benthamianaに感染して『全身壊死』を引き起こすのに対して、Li6分離株は『無病徴』であり、これまでの解析から複製酵素(RdRp)の1154番目のアミノ酸(aa1154)により病徴が決定されることを明らかにしている。本研究では、PIAMV感染による『全身壊死』と、抵抗性反応に伴い観察される『過敏感細胞死』とを比較するとともに、全身感染する上で重要なウイルスの細胞間移行について解析した。まず、複数の検定法により『全身壊死』での植物の反応を解析した。(1)DAB染色、(2)アニリンブルー染色、(3)イオンリーク量の測定、(4)防御関連遺伝子の発現解析、(5)TUNEL法、による解析の結果、PIAMV感染による『全身壊死』では『過敏感細胞死』と同様の反応が観察され、共通した分離機構に基づく可能性が示された。PIAMVではCPのN末端領域が細胞間移行に関わることが示唆されていたことから、CP遺伝子を欠失しレポーター遺伝子を挿入したベクターを用いて細胞間移行に関わるCPのアミノ酸領域を調べたところ、3番目のロイシン(Leu-3)が細胞間移行に重要であることを明らかにした。次いでin vivoにおけるCPとTGBp1の相互作用を免疫沈降法で解析したところ、両者が共沈降しin vivoで結合することを確認した。そしてLeu-3のアラニン置換体を用いて免疫沈降を行ったところ、この場合もCPとTGBp1は結合していることを明らかにした。本研究によりLeu-3はTGBp1との結合には関与しないが、他の因子と相互作用している可能性が示された。
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Journal of General Virology 90
Pages: 1014-1024
Archives of Virology 153
Pages: 2167-2168
Pages: 193-198
Pages: 219-221
Archives of Virology 152
Pages: 1501-1506
Molecular Plant-Microbe Interactions (掲載確定)