Project/Area Number |
07J03288
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 敬子 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | マクロファージ / CAMP / 樹状細胞 / c-fos / LPS / NF-kB / 炎症性サイトカイン / TNF / cAMP |
Research Abstract |
PGE2、VIP、ヒスタミンなどの細胞内のcAMP(cyclic adenosine monophosphate)濃度を上昇させるような生理活性物質は免疫応答を負に制御することが知られているマクロファージや樹状細胞(DC)においてはcAMPの上昇によってTNFaやIL-12などの炎症性サイトカイン産生が抑制される、という現象は過去多数報告されており、喘息などのアレルギー疾患や敗血症の治療にも応用されようとしている。しかしながら、その分子メカニズムは不明のままである。本研究ではリポ多糖体(LPS)に対するcAMPによる抑制の分子メカニズムの解明を試みた。その結果、LPS+cAMP刺激によって発現誘導される転写因子c-FosがcAMPによる抑制効果を担う責任因子であることを明らかにした。その作用機序としてはc-Fosが炎症性遺伝子の発現に必須な転写因子NF-κBのp65サブユニットと直接結合することによって、p65が炎症性遺伝子のDNAプロモーター領域と結合できなくなり、その結果、遺伝子の転写・発現が抑制されることを示した。さらにc-FosがLPS+cAMP刺激によって発現誘導される分子メカニズムについても明らかにした。c-FosのmRNA発現誘導にはcAMP刺激のみで十分であるが、c-Fosタンパク質の誘導・蓄積にはLPSの下流で活性化され、NF-κBの活性化に必須なキナーゼであるIKKβが必要であることが分かった。さらなる解析の結果、IKKβはc-Fosタンパク質の308番目のセリン残基をリン酸化し、その結果c-Fosタンパク質が安定化する、という新たな知見を得た。炎症性遺伝子の発現に必須であり、炎症性遺伝子発現を正に制御しているIKKβがc-Fosタンパク質の安定化に寄与することで、炎症性遺伝子発現を負に制御するという、新規のネガティブフィードバック機構を発見した。すなわちc-Fosは生体内で過剰な炎症反応を抑制する新たな機能を有することを見いだした。
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