Project/Area Number |
07J03413
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 英明 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ペロブスカイト型マンガン酸化物 / 超巨大磁気抵抗 / 電荷軌道整列 / 強磁性金属 / 不純物効果 / 相分離 / 超巨大磁気抵抗効果 / 抵抗スイッチング / 絶縁破壊 |
Research Abstract |
ペロブスカイト型マンガン酸化物では、強磁性金属相と電荷軌道整列絶縁体相の異なる二相が競合している。相境界(臨界点)近傍の物質では、磁場印加や不純物ドープに対して、二相の転換が生じるため巨大応答が現れる。例えば、不純物効果に関して、電荷軌道整列相が数%のCrドープにより融解し、強磁性金属相が誘起されることが知られている。これとは反対に、近年我々は強磁性金属相における不純物効果を調べ、Feドープが強磁性金属を弱体化させ電荷軌道整列を誘起することを見出した。このような効果は、臨界点付近の物質のみで確認されており、本年度の研究ではさらにその普遍性を解明するため、R0.6Sr0.4Mn03なる強磁性金城(R=La,Nd,Sm)-短距離電荷軌道整列スピングラス絶縁体(R=Gd)の臨界系にてFeドープ効果を調べた。本系はRを変化させバンド幅を減少させることにより、強磁性転移温度を375Kから120Kまで幅広く変えられるため、Feドープ効果の変化を系統的に調べることができる。強磁性金属を示すR=La-Smでは、Feドープにより強磁性転移温度は急激に減少し、スピングラス絶縁体相が現れる。透過型電子顕微鏡やラマン散乱測定により、これらのスピングラス相では電荷軌道整列相関が発達していることが明らかとなった。さらに、R=Gdにおける不純物効果についても詳細に調べた。Feドープでは顕著な効果が現れないが、Crドープでは短距離電荷軌道整列状態が破壊され強磁性金属が誘起されることが観測された。以上より、FeとCrの対照的なドープ効果は、系のバンド幅やホール濃度、秩序相の相関長などによらず普遍的に成立することがわかった。本成果は、マンガン酸化物の相競合状態を、不純物の種類を変化させることにより双方向に制御できることか示唆しており、磁場かどか用いかい新たな臨界状態相制御法を確立する結果となった。
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