新しいIV族強磁性半導体の創製・物性制御・デバイス応用
Project/Area Number |
07J03440
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
周藤 悠介 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | スピントロニクス / IV族強磁性半導体 / 異常ホール効果 / 磁気円二色性 |
Research Abstract |
Ge_<1-x>Fe_x薄膜の成長条件最適化と様々な物性の評価、特に磁気伝導特性の評価を中心に研究を進めた。特にSi基板上へのGe_<1-x>Fe_x薄膜の成長を行い、格子定数差が大きい条件においても成長条件を厳密に設定することによって、Ge基板上への成長時と遜色無い結晶を得ることができることを確認した。高分解能透過電子顕微鏡(TEM)等の原子レベルの解析法を用いて結晶構造を調べると、Feの濃度揺らぎと局所の積層欠陥、さらに格子ミスマッチに起因する貫通転移が生じたが、他のFe-Ge強磁性析出物の無いことが証明された。また磁気円二色性(MCD)の評価によって、s,p-d交換相互作用が働き、強磁性が発現することがわかった。強磁性転移温度がホストGe格子に置換したFeの数に比例することも証明された。Si基板上Ge_<1-x>Fe_x薄膜の結晶構造とMCDの測定結果は、Ge基板上に成長したGe_<1-x>Fe_x薄膜と同質の薄膜であることがわかった。このSi基板上の試料を用いて、Ge_<1-x>Fe_x薄膜の磁気伝導特性の測定に成功した。低温においてホール効果を測定したところ、明確な異常ホール効果が観測され、その形状はMCDのヒステリシス形状と一致することから、両者は同一の強磁性相からの信号を観測していることがわかった。またFeのドーピング濃度を増やすのに応じて正孔濃度が増大し、抵抗が小さくなることを確認した。これはFe原子がアクセプタとしても働くことを示唆しており、Ga-<1-x>Mn_xAsのこれまでの強磁性半導体と同等の性質である。さらに、Ge_<1-x>Fe_x薄膜を用いた三層構造磁気トンネル接合素子を作製し、わずかながらもトンネル磁気抵抗(TMR)効果の発現に成功した。異常ホール効果やTMR効果によって、Ge_<1-x>Fe_x薄膜が実際にスピントロニクスデバイスにおいてスピン注入源・検出器として働くことが証明された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)