可積分系の手法を通した、ゲージ理論と重力理論の応用に関する研究
Project/Area Number |
07J03461
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡村 圭祐 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超弦理論 / ゲージ理論 / AdS / CFT対応 / 可積分性 |
Research Abstract |
ゲージ理論と弦理論の対応を調べることで、場の量子論と一般相対論を統一的に理解することが私の研究目的である。平成19年度、私は研究実施計画に沿って、AdS/CFT対応(N=4超対称Yang-Mills理論と、AdS_5×S^5背景上のType IIB超弦理論の等価性)の持つ可積分性の側面を深く掘り下げて調べ、その成果を二編の国際専門誌論文等として発表した。 まず一本目の論文において、私は弦のシグマ模型と古典sine-Gordon系との(あるゲージ選択下における)等価性を利用することで、最も一般的な弦の楕円解を網羅することに成功した。ここで得られた解は、それまでにAdS/CFT対応において重要視されてきた種々の解を特別なケースとして含むため、弦理論の古典可積分性、及びそれを超えた量子可積分性において重要な役割を果たすことが期待されている。この論文ではさらに、AdS/CFT対応においてこれまで注目されてこなかった新しいクラスの弦の状態とSYM演算子との対応を提唱しており、今後のAdS/CFT対応の研究にとって新しい検証舞台を切り開く可能性が期待されている。実際、私自身、その方向性で、現在研究を進めているところである。 次に二本目の論文では、これまでに様々な要請、状況証拠から推察されていたべーテ仮説方程式(可積分方程式)中の散乱行列に関して、その特異点の構造に着目することで、可積分性を仮定しない、純点粋に運動学的な観点からその正当性を確かめた。またこの論文では、研究実施計画で予告した通り、sine-Gordon系でbreather解として知られているキンク-反キンク結合状態がどのような古典弦に対応するかについても詳しく調べた。 こうした一連の仕事で私の行った検証は、いわゆるラージN極限でAdS_5/CFT_4が可積分であることを強く示唆するとともに、それに拠った量子ベーテ仮説方程式の定式化において重要な役割を果たした。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)