超高分解能光電子分光によるコバルト酸化物超伝導体の電子状態の研究
Project/Area Number |
07J03468
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下志万 貴博 The University of Tokyo, 物性研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 物性実験 / 超伝導材料。素子 / 強相関電子系 / 超伝導材料・素子 |
Research Abstract |
更なる高分解能、低温化を目指した新型光電子分光装置を開発し、コバルト酸化物超伝導体の超電導ギャップ観測に成功し、本物質が強結合超伝導体であることがわかった。今後は角度分解測定を行い、超伝導ギャップの波数依存性を明らかにしたい。 年度の始まり頃に鉄系超伝導体が発見された。多結晶試料LaFeAsO系の光電子分光実験から、二種類のエネルギースケールの擬ギャップを見出した。小さいスケールのものはTcの低いLaFeAsP系にも共通して見られ、Fe-As間の格子振動とカップルした電子励起が起源として考えられる。大きいスケールのものの起源は不明だが、キャリア数の少ないsemimetalとしての性質に起因する可能性がある。 単結晶BaFe2As2の角度分解測定を行った。その結果、低温双晶系における単一ドメインからの電子状態を分離観測することに成功した。フェルミ面トポロジー及び構成軌道成分は磁気・構造相転移により大きく変化することが明らかとなった。第一原理計算から、この現象は構造相転移よりも反強磁性秩序形成による影響であることが示唆された。反強磁性相のおけるフェルミ面は単一のd軌道から構成され、トポロジーはかなり三次元的になっていることを明らかにした。本実験から、BaFe2As2は磁気・構造相転移により軌道選択的な電子構造変化を起こし、その反強磁性状態は軌道分極したフェルミ面を有することが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)