伝説・民衆本におけるファウスト像と16世紀の世界観
Project/Area Number |
07J03800
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
溝井 裕一 Kansai University, 文学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ファウスト / 伝説 / 魔法 / 魔術 / 悪魔 / 集合的記憶 / レルヒアイマー / 近世ヨーロッパ / 16世紀 / 民俗学 / ドイツ |
Research Abstract |
今年度において研究代表者は、「ファウスト伝説」が育まれた背景にある16世紀ドイツの魔法信仰、悪魔信仰の研究を進めるとともに、集合的記憶研究と伝説研究の接点について考察を行なった。まず、今年度の全期間をかけて著書『ファウスト伝説』を執筆した。そこでは従来の研究成果に加えて、8月3日〜9月日にヨーロッパで収集した資料を参照しながら近世の世界観についてより詳細に論じている。また近世の魔法信仰を知る上で貴重な資料である『魔法に関するキリスト教的考察と警告』(アウグスティン・レルヒアイマー、本名ヘルマン・ヴィテキント、1586年)の内容を分析し、その成果を2008年6月14日、日本独文学会で発表している。さらにこれとは異なるアプローチとして、論文「伝説と集合的記憶」を書き、伝説研究と集合的記憶研究の接点について論じた。集合的記憶とは、個人だけでなく集団においても過去のイメージの再構築がおこなわれると想定して用いられる概念である。記憶研究によれば、集団や個人が過去を想起する時、過去にまつわる情報の選択と結合が行なわれる。その際、想起する者の欲求に従って、過去のイメージが歪められたり、新たに架空の要素が混入したりすることがある。研究代表者は、この過程と伝説形成の過程に類似点があることに着目した。伝説が形成される場合も、担い手の欲求に従って歴史的事件や人物に関する過去の情報が選択され、それらが古い物語の展開にあわせて結合される。しかもこの時、史実とはかなり異なる過去像がしばしば提示されるのである。研究代表者は本論文の中で、伝説形成を集合的記憶における想起のプロセスのひとつと位置づけて考察した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)