超高分解能レーザー光電子分光を用いた重い準粒子バンドの形成過程に関する研究
Project/Area Number |
07J03850
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松波 雅治 The University of Tokyo, 物性研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 重い電子系 / 光電子分光 |
Research Abstract |
本研究では,先端的な分光手法を用いて強相関f電子系における重い準粒子バンドの形成過程を明らかにすることを目的としている.ここで対象とする物性は,重い電子状態,異方的超伝導,価数揺動系,近藤半導体,非フェルミ液体など非常に広範囲に及ぶ.本年度は,以下に示す二件のテーマに的を絞って研究を推進した. 1.イオン結晶から重い電子系への圧力制御:YbSの赤外分光による研究 YbSは常圧下では単純なイオン結晶絶縁体であり,Ybは+2価(4f軌道は完全に占有される)である.過去の格子定数やX線吸収の実験から10GPa以上では価数揺動になることが指摘されていたが、その時の電子状態に関してはよく判っていなかった.本研究では20GPaまでの高圧下で光学伝導度の測定から電子状態を考察し,10GPa以上では重い電子系に見られる異常金属状態となること,またその絶縁体-金属転移のメカニズムを解明した. 2.金属間化合物の光電子・光学スペクトルにおけるエネルギー損失 本研究では金属間化合物YbAl2、YbAl3の光電子・光学スペクトルにおいて,どちらもプラズモン励起に起因すると考えられる構造が観測されるが,そのエネルギーが全く異なることを見出した.このことは,光電子分光と光学分光でプラズモン励起のメカニズムが異なることを示唆している.このような不一致は,単体のAl金属やYb金属においては見られないため,金属間化合物に特有の現象と考えられる.
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)