中温領域で高プロトン伝導性を示す固体電解質の開発およびその燃料電池への応用
Project/Area Number |
07J03915
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
室山 広樹 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 中温作動燃料電池 / 固体電解質 / プロトン伝導体 / 無機酸素酸塩 / 複合体 |
Research Abstract |
CsH_5(PO_4)_2を用いた複合体は150℃以上で高いプロトン伝導性を示すことが明らかとなっている。この結果は複合体中でCsH_5(PO_4)_2が溶融状態として存在するためである。これまでにCsH_5(PO_4)_2の特異な熱挙動が報告されているが、その導電率との関連性は明らかとなっていない。実際に燃料電池用電解質として使用する場合、熱履歴に対する材料の特性を知ることは意義深い。そこで、CsH_5(PO_4)_2単味について、その導電率と熱サイクルの関係を解明することを目的とした。異なる温度プログラムにおいて、乾燥雰囲気下、2度の昇温過程で導電率の温度依存性を測定したところ、2回目の昇温過程の導電率挙動はCsH_5(PO_4)_2の状態変化に強く依存した。また、CsH_5(PO_4)_2融点まで加熱後、急冷した場合、得られたサンプルのXRDパターンはCsH_5(PO_4)_2相と縮合リン酸塩相から成ることが確認された。この結果、CsH_5(PO_4)_2を1度融解させた試料はCsH_5(PO_4)_2と縮合リン酸塩から成る複合体を形成することが示された。昇温-降温過程における熱分析結果より、CsH_5(PO_4)_2の結晶化温度は脱水量に影響があることが示唆された。異なる熱サイクルによる導電率挙動の違いはこれらの結晶構造や熱分析の結果に関連付けられた。以上の結果より、CsH_5(PO_4)_2と異なる相が試料中に含有する場合、CsH_5(PO_4)_2が融点以下においても溶融状態として存在することから、他の無機材料を添加した複合体についても導電率の熱サイクル依存性を調べた。200℃で熱処理した直後、CsH_5(PO_4)_2の融点以下である100℃において、複合体試料は一定時間比較的高い導電率を示した。この結果はマトリックスによってCsH_5(PO_4)_2の溶融状態が安定化されることを示している。またマトリックスの種類や複合体組成比を最適化することにより、150℃以上で高い導電率を有するCsH_5(PO_4)_2複合体を作製することが可能であることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)