Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
核子場と中間子場との相互作用を記述する方程式系であるクライン・ゴルトン・シュレディンガー方程式系およびそれに関連する方程式系の定在波の存在と軌道安定性に関する研究を行った.ここで,定在波とは,時間に関しては位相の周期的な変動しか依存しない解のことであり,定在波が安定であるというのは,定在波に少し摂動を加えて時間発展させても,定在波に近い状態にあり続けることであり,そうでないときは不安定であるという,具体的には,以下の研究を行った. 1.空間1次元において,wave-Schrodinger方程式系の定在波が存在することを変分法を用いて証明した. これまでのKlein-Gordon-Schrodinger方程式系の女定性において,振動数が大きいときはwave-Schrodinger方程式系に帰着させることが証明の鍵であった.しかし,空間1次元のときは,wave-Schroidnger方程式系の定在波が存在することを証明するのは技術的な問題が生じる.その技術的な問題とは,空間1次元のときは,それまで考えてきた関数空間において対応する汎関数が意味を持だないことである.そこで私は,具体的に近似解を構成し,その極限が求めたい解であることを証明した. 2空間2次元において,Klein-Gorodn-Schrodinger方程式系の定在波は振動数が十分小さいときは安定であることを証明した.散乱などの問題については空間2次元のKlein-Gordon-Schrodinger方程式系は幾つかの結果があるが,定在波の安定性についてはそれまであまり解析されてこなかった.これまでは振動数が十分小さいときは,3次の非線形項をもつ単独のSchrodinger方程式に帰着させることで安定性を解析してきた.しかし,3次の非線形項というのは,2次元のときは臨界の指数となるため,他の次元のように通常の摂動法が適用出来ない.そこで,私は振動数が十分小さいときには,基底状態の一意性や線形化作用素の非退化性などを証明することに成功し,このことを利用してGrillakis,Shatah,and Strauss(1987)が与えた安定であることの十分条件を確かめることが出来,上記の結果を得ることが出来た.
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