Project/Area Number |
07J04272
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied microbiology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高妻 篤史 The University of Tokyo, 生物生産工学研究センター, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ジメチルスルフィド / ジメチルスルホン / 硫黄代謝 / 硫酸飢餓応答 / Pseutdomonas |
Research Abstract |
本研究は土壌細菌pseudonomas putida DS1株においてシグマ54依存性の転写因子(SfnR)により制御される硫黄獲得機構を解明するために実施したものである。具体的には、DS1株の有する有機硫黄化合物(ジメチルスルホン)代謝系遺伝子群(sfia遣伝子群)が硫酸イオン欠乏に応答して発現するメカニズムの解析を行った。 本研究開始時点では、ジメチルスルホンの代謝に関与するオペロン(SfnFG)の転写はSfnRによって直接活性化されること、またsfnRの発現にはLysR-typeの転写因子(CysB)が必要であることのみが明らかとなっていた。しかしSfn遺伝子群の発現にはSfhRとCAB以外の因子も関与することが予想されたため、そのような因子の探索をDS1株に対するトランスポゾン挿入変異により行った。その結果、新たにジメチルスルホン代謝に必要な遺伝子としてリン酸基転移酵素遺伝子と相同性を示す遺伝子ptsPを単離した。さらにptsP破壊株を用いた解析から、ptsPがsfnFGの硫酸飢餓応答性に必要であることを示した。以上の成果は2007年にFEMSMicrobiology Lettersにて発表した。 またSfnRを含むオペロン(sfnECR)の転写がSfhR自身により抑制されること、およびsfnECR〜の転写活性化はCysBにより直接行われることを示した。またCysBが遣遺伝子群の硫酸飢餓応答において最上位に位置する転写因子(master regulator)であると考えられた。これによりCysBとSfnRによるSfh遺伝子群の転写カスケードが明らかとなった。 さらにsfn遺伝子群の転写がどのようなシグナル分子により抑制されるのかについても解析を行った。sfn遺伝子群の転写は硫酸イオンの添加により抑制されるため、硫酸イオンもしくはその代謝産物が転写抑制を行うシグナル分子であることが予想された。そこで硫酸イオン代謝経路の破壊株を作製し、各破壊株で蓄積する硫酸イオンもしくはその代謝産物によりsfnFGまたはsfnECRの発現が抑制されるかどうかを解析した。その結果、sfnFGの発現は硫酸イオン自身により抑制されることが示唆された。従って、SfnR(sfitFGの転写活性化因子)が硫酸イオンの認識に関与している可能性が考えられた。またsfnECRの発現は硫酸イオンの下流代謝産物(スルフィドイオンもしくはシステイン)により抑制されることが示唆された。これによりCysB(sfiaECRの転写活性化因子)上記の研究成果により、申請した研究目的をほぼ達成することができた。
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