Project/Area Number |
07J04305
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡田 泰和 Hokkaido University, 大学院・地球環境科学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | トゲオオハリアリ / 利他行動 / カースト / 利他遺伝子 / 順位制 / 不妊 / 社会性昆虫 / 生体アミン |
Research Abstract |
トゲオオハリアリの行動と産卵能力の分子生物学的解析をさらに詳細なレベルにまで発展させた点が本年度の主な進展である.繁殖個体の腹部および卵巣でインスリン経路の遺伝子群の発現が高い傾向をリアルタイム定量PCRおよびin situ hybridization法によって見いだし,卵巣における代謝・繁殖制御にインスリン経路が関与していることを示した。これらのデータを統合した論文が現在投稿準備中である.行動の分子基盤を調べるため、神経調節物質であるオクトパミンの受容体遺伝子について脳における発現レベルのカースト間比較を行ってきた.この結果、女王運命個体の食道下神経節と、触角葉を含む脳領域で発現が上昇していることが明らかになり、嗅覚情報の処理能力の向上が女王で起こっていると考えられた.こうした変化はゲマフェロモン等の臭い刺激に基づく順位行動の発現にかかわる関わる可能性がある.神経調節物質の測定系の構築を現在行っており,測定データがそろい次第,受容体のデータとあわせて論文化予定である.ディファレンシャル・ディスプレイ法を用いて、脳および頭部でカースト特異的に発現する遺伝子のスクリーニングを行い、女王運命個体の上皮組織特異的に発現する遺伝子(H11-2)等を同定した。H11-2遺伝子は既知配列との相同性から、親油性物質の運搬を行うレチノアルデヒド結合タンパクのファミリーに属すことがわかり、特に女王の胸部,脚での発現レベルが高い事を確認したことから,H11-2遺伝子が炭化水素による個体間コミュニケーションに関わる可能性が支持されている。こうした行動および繁殖の分化に関わる生理機構や分子基盤は行動カーストをもたらしたメカニズムの解明に貢献するものと考えられる
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)