層状貫入分化岩体の研究に基づく、マグマ溜り境界層分化メカニズムの解明
Project/Area Number |
07J04363
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
星出 隆志 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 斜長岩脈 / 固液分離 / クリスタルマッシュ / 多相包有物 / 水 / 塩素 / 固液境界層 / マグマ分化 / 斜長岩 / 組成累帯構造 / 境界層 / 液体不混和 / 層状貫入岩体 |
Research Abstract |
前年度の研究から、室戸岬斑れい岩体に産する斜長岩脈やペグマタイト脈などの層状構造の成因として、境界層での結晶作用でメルトに濃縮した水が発泡し、それが固液境界層の中を上昇することで一度晶出した結晶の再溶融やセグリゲーション(固液分離)が起こり、クリスタルマッシュが再構成されていくプロセス('Constitutional zone refining'(McBirney,1987))が関与していることが明らかになってきた。そこで今年度は、(1)斑れい岩のかんらん石結晶に含まれている主に角閃石結晶からなる多相包有物「角閃石クロヅト」の岩石記載と鉱物化学組成分析、(2)全岩化学組成分析(主成分元素・微量元素;オーストラリア国立大学に依頼)を行い、Constitutional zone refiningプロセスを引き起こす水が移動した証拠を探索した。(1)からは、この角閃石クロットは、かんらん石と反応関係にある含水メルトがかんらん石成長時に捕獲され、その後ホストのかんらん石と一部反応しながらかんらん石中で結晶化した「メルト包有物」であることがわかった。とのことは、かんらん石と反応関係にあるメルトが、かんらん石に飽和したメルト中に局所的に存在するという不均質で非平衡な状態が起きていたことを示している。こめような状況は、マグマの固液境界層の中で、下方低温部でより結晶分化の進んだ残存メルトから分離した水に富んだ流体相が、上方のかんらん石の成長が進行しているより高温領域レイヤーへ移動侵入することにより実現された可能性がある。(2)からは、斜長岩脈に塩素が顕著に濃集していることを見いだし、これは流体相の挙動を知る有力な新しい手がかりとなることがわかりつつある。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)