キイロショウジョウバエを用いた味覚二次神経の同定と一次・二次中枢の投射地図の解析
Project/Area Number |
07J04372
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮崎 隆明 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 味覚 / 神経回路 / 一次中枢 / 回路構造 / GFP / 二重蛍光観察 / キイロショウジョウバエ |
Research Abstract |
ハエの味覚神経のうち主なものは、口の先端にある唇弁と呼ばれる部位に存在し、直接、脳の味覚一次中枢に達している。また、触覚神経も唇弁に存在し、これも同様に脳まで伸びている。私は、前年度までの研究で、これらの神経を6通りのパターンで可視化するキイロショウジョウバエを新たに得て、神経末端が味覚一次中枢内において様々な枝分かれ構造を作っていることを明らかにした。 本年度はまず、可視化された神経が唇弁のどこに在るどの種類の細胞なのかを明らかにし、特に6通りのうちの1つは触覚神経である可能性があることを示した。次に、一次中枢内の枝分かれ構造をさらに詳しく解析しようとしたが、神経末端の位置を精確に知るための目印がなかったので、最近開発された神経可視化の方法を用いて目印を標識した。そして、この新手法による目印をオワンクラゲ由来緑色蛍光蛋白質(GFP)で、従来の可視化法を用いた前述の6通りの神経をサンゴ由来赤色蛍光蛋白質で、それぞれ同時に可視化する二重蛍光観察により、神経末端の位置を同定した。さらに、従来の研究で知られていた味覚神経も同様に解析し、従来よりずっと詳しい11個の領域からなる味覚一次中枢の地図を完成させた。 唇弁での細胞の位置・種類と、この地図で明らかになった神経末端の位置とを対応づけることで、味覚神経と触覚神経は一次中枢の別の領域に繋がっている一方、甘味を受容する神経と水分を感じる神経、及び、苦味を感じる神経とそれとは別の神経はそれぞれ同じ領域に繋がることを明らかにした。後者の結果はこれらの異なる味覚情報が統合して処理されることを示唆している。 本研究で明らかにした味覚一次中枢の地図は、今後脳内の高次神経を研究する際の基盤となるものであり、これを利用することで、味を感じてから行動を制御するまでの情報処理の仕組みを神経細胞レベルで理解することを目指した研究が進展すると期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)