低エネルギー超高分解能光電子分光装置の建設と高温超伝導体の微細電子構造の研究
Project/Area Number |
07J04554
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 耕輔 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 角度分解光電子分光 / 高温超伝導 / フェルミ面 / 銅酸化物高温超伝導体 / 超伝導 |
Research Abstract |
これまで建設・改良を進めてきた超高分解能光電子分光装置を用いて、銅酸化物および鉄系高温超伝導体の電子状態の研究を行った。銅酸化物高温超伝導体Bi_2Sr_2CuO_6の超伝導・擬ギャップの温度・波数依存性を高精度で決定し、超伝導ギャップから擬ギャップへの変化が、超伝導転移温度をまたいで連続的に起こることを見出した。また、擬ギャップの消失する温度は波数によらず超伝導ギャップサイズに比例することを明らかにした。これらの結果は、長年の未解決問題であった擬ギャップの起源が、超伝導の前駆現象に関係することを示している。超伝導機構が未解明である電子型鉄系超伝導体BaFe_<2-x>Co_xAs_2のフェルミ面および超伝導ギャップを世界で初めて直接観測することに成功し、超伝導対称性がs波であること、および反強磁性ベクトルで繋がれるフェルミ面上で超伝導ギャップサイズが増大していることを見出した。これらの結果は、高温超伝導が反強磁性揺らぎによって生じていることを示している。また、ホール型Ba_<1-x>K_xFe_2As_2の結果と比較を行うことで、電子型とホール型の両者で超伝導機構が共通である「電子-ホール対称性」が成り立っていることを実験的に示した。さらに、結晶構造の異なるFeTe_<1-x>Se_x超伝導体のフェルミ面と超伝導ギャップを高分解能ARPESによって決定することに初めて成功し、反強磁性揺らぎにもとづく超伝導機構が鉄系高温超伝導体において普遍的に実現していることを示唆した。
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Report
(3 results)
Research Products
(45 results)