Project/Area Number |
07J04820
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Genetics/Genome dynamics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻村 太郎 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 色覚 / オプシン / ゼブラフィッシュ / 遺伝子重複 / 遺伝子発現 / 進化 / 制御領域 / トランスジェネシス / 重複遺伝子 / 発現制御 / 視物質遺伝子 |
Research Abstract |
オプシンは網膜の視細胞で機能する光受容分子である。網膜・視細胞におけるオプシン遺伝子の発現パターンは色覚機能の決定に重要である。魚類では、様々な種でオプシン遺伝子が多数重複し、それら重複オプシン遺伝子の発現パターンが多様に進化した。それにより魚類色覚システムは多様化を果たした。本研究はゼブラフィッシュで4つに遺伝子重複した緑型オプシン遺伝子RH2をモデルにして、その発現制御機構の解明と、進化過程の考察を目的とした。ゼブラフィッシュの4つのRH2遺伝子はすべて複錐体副細胞に発現するが、それらの成魚網膜における発現エリアは互いに異なる。本研究は、まず遺伝子群の上流域に位置する制御領域RH2-LCRを同定し、それが4つすべてのRH2遺伝子の発現に必要であることを示した。次に、各遺伝子の発現エリアが、各RH2遺伝子の上流プロモーター配列と、各遺伝子間の位置関係とにより大きく決定されていることを示した。また、メダカゲノムにもRH2-LCR相同領域が保存されていることを示し、さらに、トランスジェネシスにより、メダカにゼブラフィッシュRH2の完全な制御領域を導入すると、そのメダカ網膜においても、本来のゼブラフィッシュ網膜におけるRH2遺伝子発現パターンと非常に良く似たパターンが誘導された。これらより、ゼブラフィッシュRH2の進化過程において、RH2-LCRと網膜という遺伝子重複以前に起源する制御因子をベースとして保持しながら、遺伝子重複とその後のプロモーター配列進化という独自の進化過程を遂げたことで、現在の制御機構が形成されたことがわかった。この成果は、色覚進化研究において、魚類重複オプシン遺伝子の制御機構進化を初めて解明したものとして重要である。さらに、一般の重複遺伝子研究においても発現制御機構の進化は極めて重要な研究課題であり、本研究成果はその重要なモデルケースとしての意義も持つ。
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