Project/Area Number |
07J04831
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡松 優子 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脱共役蛋白質 / 褐色脂肪 / エネルギー消費 / レプチン / 摂食調節 / 発熱 / 欠損マウス |
Research Abstract |
褐色脂肪は脂肪を燃焼して熱を産生する特殊な脂肪組織であり、その熱産生能を担うのが脱共役蛋白質UCP1である。前年度までの研究により、脂肪細胞から分泌されるレプチンがUCP1を活性化することで全身のエネルギー消費を亢進させ、体脂肪を減少させることが明らかになった。一方、UCP1はレプチンのエネルギー消費亢進作用のみならず、レプチン感受性の調節を介して摂食抑制作用にも関与する可能性が示唆されたので、UCP1によるレプチン感受性の調節機構について解析を行った。 野生型マウスにβ3受容体作動薬を慢性的に投与すると、通常UCP1が存在しない白色脂肪にUCP1が異所性発現する。これらのマウスではレプチンの摂食抑制作用が増強していた。アデノウイルスを用いて、UCP1欠損マウスの白色脂肪に人為的にUCP1を発現させてもレプチン作用の増強が認められたので、白色脂肪の異所性UCP1がレプチン作用の増強、つまりレプチン感受性の増加を引き起こすと考えられた。 レプチンは視床下部の弓状核に作用してJAK2-STAT3経路を活性化し、摂食抑制作用を示すことが知られているので、リン酸化STAT3(活性型STAT3)を指標に中枢でのレプチン感受性を調べた。レプチン投与後の弓状核でのリン酸化STAT3レベルは、対照マウスに比べβ3受容体作動薬慢性投与マウスにおいて増加していた。したがって、β3受容体作動薬慢性投与によるレプチン感受性の増加は中枢レベルで起こっていると考えられた。 以上の結果から、これまで発熱分子として知られてきたUCP1がレプチン感受性の調節を介して摂食調節にも関与する可能性が示唆された。
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