固体セルロースの不可逆的分解を利用したホスホリラーゼによる糖質の変換
Project/Area Number |
07J04869
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
林産科学・木質工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平石 正男 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ホスホリラーゼ / セルラーゼ / 固体セルロース / トレハロース / 糖質変換 / 可逆反応 / 不可逆反応 |
Research Abstract |
本研究では、セルラーゼの触媒する固体セルロースの不可逆的加水分解反応およびホスホリラーゼの触媒する可逆的な糖質変換反応を組み合わせることで、in vitroにおいて天然由来のセルロースを他の有用糖質に変換すること、また醇素による糖質変換反応を定量的に評価することを目的としている。これまで、[i]醇素反応を利用した天然セルロースのグルコース(Glc)およびα-グルコース1-リン酸(aG1P)への変換、[ii]トレハロースホスホリラーゼを用いた有用糖質トレハロースのin vitro合成、および[iii]セロデキストリンホスホリラーゼ(CDP)を用いた高結晶性セルロースIIのin vitro合成について研究を行った。本年度の研究成果[iii]の内容について以下に記す。 醇素を利用したセルロースのin vitro合成は,分子鎖の重合度やパッキング状態が人為的に制御された新規セルロース系素材の開発につながると期待されている。本研究では、CDPによるセルロース合成の際に反応効率の低い基質であるGlcを糖受容体として用いることで、GlcとαG1Pから多分散度の低い重合度9の不溶性セルロースが生成されること、また非常に大きな高結晶性のセルロースII型ラメラ結晶が形成されることを明らかとした.さらに、様々なグルコース誘導体を糖受容体として用いることで様々なセルロース誘導体からなるラメラ結晶を得た。ラメラ結晶内ではセルロース分子が結晶の表面に対して垂直に配向しているため、本手法を用いることで結晶の表面に規則正しく高密度に宮能基が並んだ高結晶性のセルロースII型ラメラ結晶を得ることが可能である。 本研究によって、in vitroで天然セルロースからαG1Pを生成すること、およびαG1Pから有用等質トレハロース、また新規セルロース系材料を合成することに成功した。以上の結果に基づき天然セルロースの高度利用法として、醇素反応によって変換することで付加価値の高い糖質として利用するという可能性を示した。 (781字)
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)