青色光受容蛋白質のドメインに共通する光誘起反応分子機構の解明
Project/Area Number |
07J04902
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中曽根 祐介 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | phototropin / LOVドメイン / 光センサー蛋白質 / 過渡回折格子法 / 拡散係数変化 / 非線形分光 / 温度センサー蛋白質 / 蛋白質間相互作用 / 蛋白質科学 / フォトトロピン / LOV / BLUF / YcgF / 光反応ダイナミクス |
Research Abstract |
植物に存在する青色光セシサー蛋白質phototropinの光反応を過渡回折格子法を用いて捉えることを試みた。この手法では拡散係数変化という観点から蛋白質全体の構造変化や会合状態の変化を時間分解検出することが可能である。その結果、これまでLOV2ドメインのみの試料では溶液中でダイマー・モノマー間の平衡があり、それぞれ会合反応、解離反応を示すことが明らかになっている。またLOV2ドメインにlinkerドメインを付随させた試料では光励起によりlinkerドメインがLOV2ドメインから解離する反応が誘起され、さらにlinker部分に存在するヘリックスの崩壊反応が誘起される様子を実時間で観測している。今回、これらの反応に対する温度効果を調べたところ、LOV2ドメインのみの試料では低温にすると光誘起会合反応による信号の強度が減少することが見いだされた。これは暗状態でダイマーを形成する分子数が増加していることを意味している。詳しい解析の結果、ダイマー・モノマー間の変移エンタルピー・エントロピーを見積もることにも成功した。またlinker付き試料では温度上昇により、linkerドメインの解離物が暗状態でも増加する様子が検出された。LOV2ドメインは暗状態でkinaseドメインに結合することでその活性を抑制し、光励起による解離によって活性化が促進されると考えられている。本研究では過渡回折格子法により光反応を捉えることでこの過程を実時間で捉えることに成功したが、さらに今回、温度効果によっても解離が促進されることが見いだされたことから、phototropinが光センサーであると同時に温度センサーとしての機能を有する可能性を示唆するに至った。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)