真理手続としての詩作、真理の身体としての詩―ポンジュとミショーを中心にー
Project/Area Number |
07J05432
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
ヨーロッパ語系文学
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
梶田 裕 Waseda University, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 出来事 / 真理 / 享楽 / 遊戯 / 無限 / フランシス・ポンジュ / アンリ・ミショー / ジャック・ランシエール / 真理手続 / 脱自的実存 / 文学の政治 / バディウ / ランシエール / 真理の身体 / 識別不可能性 / ジェネリック性 / リズム / ポエジー / 実存 |
Research Abstract |
昨年度末に行った学会発表「享楽する真理-フランシス・ポンジュ「物喜び」と「物遊び」の体系的理解のためのプロレゴーメナ」をもとに執筆された論文《"La verite jouit" : Prolegomenes a Iinterpretation systematique del' "objoie" et de l'"objeu" de Francis Ponge》が査読を経て『日本フランス語フランス文学会関東支部論集』に掲載された。本論文では、「物喜び」と「物遊び」というポンジュにおける二つの主要な概念が、きわめて一貫した理論的思考によって支えられていることを明らかにした。「物喜び」とは、脱自的に自己差異化する事物が、「その天才に従って」、自らを「美的」外観において出現させることであり、このことが、カント、シラーの思考を通じて、事物をその自然な用途=行き先から逸脱させる、つまり差異化する操作としての「遊び」の概念に結びつけられた。そこでは、事物の脱自的な自己差異化としての真理の概念も明らかにされた。さらに、この研究に基づき、「遊戯」の概念の更なる論理的な究明を通じて、「物遊び」が名指されるテクストである「深淵に置かれた太陽」の研究が進められた。平行して、アンリ・ミショーの詩作を出来事の思考として提示する研究が、「折れた腕」の読解を通じてなされ、その成果は日本フランス語フランス文学会関東支部大会で発表された。そこでは、空虚の到来としての出来事から、限定されたいかなる形象にも閉じ込められることのない無限なるものが開かれるプロセスとしての詩作が、レシの形式で語られる様が明らかにされた。また、ジャック・ランシエール著『感性的なもののパルタージュ』の翻訳を上梓した。この翻訳には、著者とのロング・インタビューを付すなど、その思想を全般的に紹介するための配慮がなされた。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)