分子シャペロンによるコラーゲンのフォールディング機構の解明
Project/Area Number |
07J05672
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 義人 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員DC2
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | オートファジー / 小胞体 / 細胞毒性 / ERAD / リソソーム / Hsp47 / Mov13 / コラーゲン / 骨形成不全 |
Research Abstract |
コラーゲンは哺乳動物で最も豊富に存在するタンパク質である.組織形成や維持に重要な働きを担う一方で,機能不全により骨形成に重篤な異常をきたす'コラーゲン病'に総称される疾患を引き起こす.そのような変異コラーゲンは,細胞の小胞体内に蓄積するが,そのような異常コラーゲンを細胞はどのように処理しているのかについては全く報告がなかった.そこで,申請者はこれまで研究を行ってきたコラーゲンの成熟異常が見られるHsp47ノックアウト細胞をモデルとして用いて,異常コラーゲンの分解について詳細に検討することにした.Hsp47ノックアウト細胞の異常コラーゲンは,従来考えられていた小胞体関連分解(ERAD)ではなく,自食作用と定義されるオートファジーにより分解されていた.さらにオートファジー活性を阻害すると細胞死が有意に増加することを見出し,オートファジーが小胞体に蓄積する異常コラーゲンを分解することにより細胞保護効果を発揮することを突き止めた.次に,Hsp47ノックアウト細胞で見られた異常コラーゲンのオートファジーによる分解がコラーゲン全般へ適応可能かを検討するために,骨形成不全を起こすことが知られる変異コラーゲンの分解について検討した.コラーゲンは2種類のサブユニットの組み合わせによって三量体を形成するが,三量体を形成する異常コラーゲンはERADではなく,Hsp47ノックアウト細胞のコラーゲンと同様にオートファジーによりリソソームで分解されていた.また,面白いことに三量体を形成することの出来ない変異コラーゲンは,ERADもしくはオートファジーを介さないリソソーム経路で分解されていることが分かり,細胞は3つの独立した経路を使って異常コラーゲンの分解を遂行していることが示唆された.本研究は,小胞体に蓄積する異常タンパク質の品質管理機構だけでなく,骨形成不全に代表されるコラーゲン病に対する基礎的理解に大きな貢献をもたらす成果であると考える.
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)