レニウム触媒によるC-H結合活性化を基盤とする環状化合物合成反応の開発
Project/Area Number |
07J05758
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川田 篤志 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | レニウム / β-ケトエステル / 炭素-炭素結合切断 / アルキン / 炭素鎖伸長 / 2-ピラノン / フッ化テトラブチルアンモニウム / 多置換ベンゼン / 活性メチレン化合物 / アセチレン / 環拡大 / インジウム / エステル |
Research Abstract |
申請者らはこれまで、レニウム触媒によるC-H結合活性化を基盤とする合成反応の開発を行なってきた。その過程において、レニウム触媒を用いると、歪みのない6員環β-ケトエステルの炭素-炭素単結合の切断およびアルキンの挿入による環拡大反応が進行することを見いだし、昨年度に報告した。歪みのないC-C単結合の切断を利用する分子変換反応は、従来困難とされてきたものであり、C-H結合活性化と同様に有機合成において重要な反応の一つとされている。そこで、この反応についてさらに詳細な検討を行なうこととした。 その結果、鎖状のβ-ケトエステルを用いた場合にも同様にC-C単結合へのアルキンの挿入反応が進行し、2炭素分炭素鎖が伸長したδ-ケトエステル誘導体が得られることがわかった。さらに、反応が完結した後に触媒量のフッ化テトラブチルアンモニウムを加えると、δ-ケトエステルのアルコールの脱敏を伴う分子内環化により、2-ピラノン誘導体が得られた。2-ピラノン誘導体は多くの天然物や、生理活性物質の部分骨格として存在することや、様々な芳香族化合物の合成中間体として利用できることなどから有機合成において重要な化合物である。 また、得られた2-ピラノン誘導体に対して、エステル基を有する電子不足アルキンを反応させると、Diels-Alder反応および脱炭酸により、5置換および6置換ベンゼン誘導体がワンポットで位置選択的に合成できることがわかった。ジェノフィルとして電子不足アルキンの代わりに系中で発生させたベンザインを用いることにより、多置換ナフタレンを合成することも可能である。 多くの異なる置換基を選択的に芳香環上に導入する手法の開発は、合成化学において重要な課題であり本反応はその一つの解決策を示している。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)