Project/Area Number |
07J05798
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
寺原 直矢 Toyo University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | べん毛モーター / 1分子計測 / 蛍光タンパク質 / トルク / 枯草菌 |
Research Abstract |
細菌は、らせん状のべん毛繊維を根元にあるモーターによって回転させ、様々な環境を移動する。べん毛モーターは回転子と固定子からなり、回転に必要な駆動力は、イオンチャネルである固定子にH^+もしくはNa^+が流入することで発生する。多くの細菌では、H^+型もしくはNa^+型のどちらか1種類の固定子しか持たないため、べん毛の駆動には1種類の固定子が機能していると考えられていた。しかし、これまで我々は、枯草菌ではH^+型とNa^+型の2種類の固定子が発現し、べん毛の駆動力発生に寄与していることを明らかにした。このような場合、2種類の固定子は実際にどのようにべん毛モーター部位に組み込まれ、駆動力を発生しているのかまだ明らかにされていない。そこで本研究は、枯草菌のべん毛モーター固定子MotABとMotPSの細胞内局在性を調べ、モーターが生み出すトルクの測定を行った。 まず、MotABとMotPSの細胞内局在性を調べるために、蛍光タンパク質を用いた蛍光バイオイメージング法を試みた。蛍光顕微鏡を用いて菌体を観察したところ、MotABとMotPSが1つの同じモーターに組み込まれている可能性が高いことが示唆された。さらにモーター1分子のトルクを解析する方法として、ビーズアッセイ法を試みた。ビーズアッセイ法とは、スライドガラス上に菌体を接着させ、1本のべん毛に直径1μm前後のポリスチレン製ビーズを付着させ、べん毛の回転をビーズの回転として観察する方法で、トルクの算出に適した方法である。計測の結果、枯草菌の野生株において、MotABとMotPSが1つのモーターに組み込まれ、トルクを発生している可能性が強く示唆された。これまでに生物が持つ様々なモーターにおいて、2つの異なるエネルギーを同時に使用したモーターに関する研究例はなく、今後、モーターの回転機構の解明の大きな一歩として期待される。
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