Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本年度は,昨年度までの研究結果を踏まえて,今までの基礎理論の応用方法をいくつか模索した.以下でより具体的に三つに分けて述べる.まず,heterodimensional cycleの分岐からhomoclinic tangencyの分岐が生じるメカニズム(この結果は昨年度までに整備したものである)を利用して,wildと呼ばれるhomoclinic classの中に観察される双曲型周期点の指数に関していくつかの知見を得た.この結果のさらなる発展として,いわゆるindex completion problemの低次元の場合が解けるのではないか,と考えており,考察を続けてみたが,まだ結論には至っていない.基礎的な部分に関する議論の整理は終えたが,いわゆるergodic closing lemmaを用いるステップで本質的な困難がまだ解決していないためである.上に述べたメカニズムの別の応用として,近年提出された強いPalis予想に関する部分的解決も与えた.この手法の延長線上で,この予想の解決に貢献するであろうと考えられる例の構成を行ってみたが,これに関してはまだまとまった結果は得られていない.最後に,これらの(やや)抽象的なメカニズムの具体例として,heterodimensional tangencyの分岐についての研究も着手した.一般の高い正則性に由来する位相のもとでの,いくつかの通有的な条件の下で,先に述べたようなメカニズムによって,頑強性を持った非双曲型力学系的構造が生じることを証明するのが目標である.この研究もその緒にあり,今のところまとまった結果は得られていない.
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