5配位状態のリンおよびケイ素からなる新規な結合の構築とその性質の解明
Project/Area Number |
07J06461
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三宅 秀明 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 5配位 / リン / ケイ素 / ジシラン / 6配位 / ヒドリド還元 / 重水素ラベル / 超原子価 / シリカート / 還元反応 / 典型元素 / ホスホラン / 還元的カップリング |
Research Abstract |
この研究の目的は、5配位リン原子および5配位ケイ素原子からなる結合を有する化合物を合成し、その新規な結合を有する化合物の物性や反応性を解明することである。 今年度は5配位ケイ素原子同士が結合した初めてのジアニオン性化合物、ジシリカートの物性の評価を行った。サイクリックボルタンメトリーおよび紫外吸収スペクトル測定により、得られたジシリカートは一般的なジシランと比較して酸化電位が低く、吸収波長が長波長シフトすることを見出した。分子軌道計算を行ったところ、ジシリカートはジシランに比べてHOMOのエネルギーが高く、小さなHOMO-LUMOギャップを持つことがわかった。この計算結果は先述した測定結果とよく合致した。被占軌道であるSi-Si結合性軌道と酸素原子の非共有電子対との相互作用によってHOMOのエネルギーが上昇することを明らかにした。 本研究を遂行中に開発した新規な高配位化合物の合成法を応用し、平成20年度にはアニオン性6配位リン化合物の合成に成功している。今年度はその性質について種々検討した。その効率的な合成法を確立するとともに、X線結晶構造解析やNMRスペクトルによってその構造を決定し、6配位リン原子が2つの水素原子と結合しているという特異な構造を確認した。そのリン上の水素原子は水のプロトンと交換可能であるにもかかわらず、カルボニル化合物との反応においてヒドリドとしてふるまうことを見出した。この特異な反応性を利用し、重水を用いたカルボニル化合物の還元的重水素化に成功した。
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Report
(3 results)
Research Products
(19 results)