交互累積膜法を用いた刺激応答型薬物放出システムに関する研究
Project/Area Number |
07J06647
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 裕 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ドラッグデリバリー / 高分子薄膜 / 放出制御 / 修飾電極 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、電位を印加することにより薬物モデル化合物の放出制御が可能な電極を作製することである。最終年度の本年度は、静電的相互作用を利用して薬物モデル化合物を電極表面に作製した交互累積膜に取り込み、電極に電位を印加することにより放制御を試みた。 まず、昨年度報告した水の電解還元による局所的pH変化を利用したメナルオレンジ(MO)の放出制御において、溶液のpHやイオン弧度の影響を詳細に検討し放出制御の最適化を行った。これらの結果はMaterials Science and Engineering Cに論文として投稿し、掲載が決定している。しかしながら、MOを用いた実験系では電位の印加に関わらずMOの漏出が見られ、完全な放出制御は困難であった。これはMOが負電荷を1つのみしか有しておらず、作製した累積膜との結合が弱いためと考えられる。 そこでα,β,γ,δ-テトラキス(4-N-メチルピリジル)ポルフィリン(TMPyP)を薬物モデル化合物として用いて改善を目指した。TMPyPは分子内に4つの正電荷を持つためMOに比べて強固に累積膜と結合して漏出が抑制され、また、水の電解酸化による電極表面近傍の局所的pH変化を利用しての放出制御が可能と考えられる。実際にMOの場合と同様に溶液のpHやイオン強度を詳細に検討して放出制御の条件の最適化を行った結果、TMPyPがほとんど漏出せず電位を印加すると速やかに放出される系を実現した。この結果はJournal of Colloid and Interface Scienceに論文として投稿し、掲載が決定している。 交互累積膜からのTMPyPの放出制御の研究成果は本研究課題の目的である電極への電位印加により放出制御の可能な系を実現しており、本研究課題を申請するにあたって設定した課題を達成したと言える。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)