高温超伝導体固有ジョセフソン接合の位相ダイナミクスとそれを用いた量子ビットの研究
Project/Area Number |
07J07193
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 健介 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 高温超伝導体 / ジョセフソン接合 / 巨視的量子現象 / 固有ジョセフソン接合 / 量子ビット |
Research Abstract |
固有ジョセフソン接合(IJJ)における量子ビットの研究に向けて、一年目にBi_2Sr_2CaCu_2O_y(Bi2212)からIJJを作成し、約0.4Kまでの低温下でブランチ構造におけるゼロボルト状態から第一電圧状態へのスイッチング(1stスイッチ)についてスイッチング電流分布の測定を行い、巨視的量子トンネリング(MQT)、及び離散化量子準位(ELQ)の観測に成功した。 二年目は、Bi2212における第一電圧状態から第二電圧状態へのスイッチング(2ndスイッチ)、及びLa_2Sr_<2-x>CuO_4(La214)の1stスイッチについて、一年目と同様にスイッチング電流分布の測定を行なった。Bi2212における2ndスイッチは1stスイッチと同様に、低温でスイッチング電流分布が温度変化しないMQT的な振舞いを示したが、温度変化しなくなる温度(Ts)は1stスイッチのMQTへのクロスオーバー温度(Tcr〜1K)に比ベー桁程度高温の約8Kであり、ヒーチイングの寄与が懸念された。異なるデバイス構造の素子での測定、及び、パルス幅を変えた測定を行い、それらに依存しないことから、ヒーティングの寄与だけではTsがTcrより高いことを説明できないことを示した。一方、La214の1stスイッチにおいても同様のMQT的な振舞いを示したが、MQTによる脱出を仮定した計算値との不一致が見られた。これらの結果は、IJJにおいて特徴的な接合間相互作用によるものだと考えられた。IJJにおいて量子ビット動作を行う上で接合間相互作用の寄与を考える必要があるという明確な方針を得ることができた。 研究最終年度である二年目には以上の成果を国内外における学会(LT25、日本物理学会)において発表した他、論文を執筆しアメリカ物理学会の論文(Physical Review B)に投稿し、採用された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)