森林生態系におけるツキノワグマがヤマザクラの繁殖過程で果たす役割に関する研究
Project/Area Number |
07J07287
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
林学・森林工学
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小池 伸介 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 助教
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ツキノワグマ / 種子散布 / ヤマザクラ / 行動 / 食性 |
Research Abstract |
森林生態系の保全には生物多様性の維持と共に、その内部に存在する多くの生物間のネットワークが健全な状態で存在することが必要となる。森林の主な構成要素である木本植物に注目した場合、種子散布は森林内の樹木の配置を決定することから、森林の動態に大きな影響を与える。温帯の木本の約半分は被食型種子散布であり、これまで鳥類がその媒介者として注目されていたが、多くの食肉目も果実を利用することが知られる。特にツキノワグマのような行動力のある種では、その散布範囲も広いと予想される。そのため、ツキノワグマの種子散布特性を明らかすることも目的に、ツキノワグマの行動特性および、一糞塊あたりの種子数も多いため、散布後の種子の行方について検討した。 1)ツキノワグマの行動を明らかにするために、栃木県足尾山地で5頭のツキノワグマを捕獲し、Activity付GPS受信機を装着し放獣した。そのうち4頭は現在も受信機を装着中であるが、1頭(♀)はデータを回収できた。その結果、activity sensorより調査期間の6〜7月にかけては昼行性の行動を示し、昼間の時間帯の多くを採食行動に費やしていた。また、ヤマザクラが結実する6月から7月は数日で10km以上を移動することがあり、十分に長距離散布者としての可能性が示唆された。今後はさらに例数を増やす必要がある。 2)糞虫による種子を含んだツキノワグマの糞の分解実験を行ったところ、ツキノワグマの糞に飛来するフン虫のうち、オオセンチコガネ、センチコガネの2種が他の種よりも分解能力が大きいことが判明した。さらに、この2種の糞の分解過程での種子の移動について、複数種の植物種の種子を用いて実験を行ったところ、種子を移動させていることが判明した。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)