表面観察による隕石を構成する微粒子の形成・集積過程の解明
Project/Area Number |
07J07309
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野澤 純 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | コロイド結晶 / 磁性粒子 / 隕石 / 結晶成長 / 表面観察 |
Research Abstract |
前年度までで、隕石中のマグネタイトについてSEMによる形体、粒径、産状の観察、TEMによる鉱物同定、内部組織の観察などを行った。これらの観察により隕石中に初めてマグネタイトからなるコロイド結晶が存在している事が示された。このコロイド結晶の存在は特に二つの点で非常に興味深い。一つ目は、コロイド結晶は現在、コロイド科学、材料科学の中で最先端のトピックの一つであるが、それが太陽系が形成した直後の46億年も前に既にできていたという事である。二つ目はマグネタイト粒子が規則正しく配列している事である。これまで、地球科学の分野ではこのような粒子の集合体は粒子同士の引力で形成されると考えられてきたが、溶液中でのコロイド粒子の規則配列は粒子同士の相互作用が斥力の時に起きる。ここで、マグネタイトは磁気を持つために粒子同士の相互作用は強い引力であるので規則配列することは予想されない。マグネタイトのコロイド結晶化には磁気が非常に大きな影響を及ぼしているので、隕石中のマグネタイト粒子の磁気の状態が実際どのようになっているのか世界に数台しかない産業技術総合研究所のSpin-SEMを用いて観察を行った。その結果、通常のマグネタイトで報告例のない粒子内で磁束が閉じたような構造を持つ可能性が示された。この事から、粒子同士の相互作用が強い引力にはならずにコロイド結晶が形成した事が考えられる。これらの結果は惑星科学だけでなく、ナノ磁性粒子やコロイド科学の分野において非常に大きなインパクトを与えた。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)