古代イネDNA分析による栽培イネにおける人為選択標的遺伝子の進化的解析
Project/Area Number |
07J07627
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊谷 真彦 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 炭化米 / DNA分析 / 葉緑体DNA / ジャポニカ米 / インディカ米 / 人為選択 / 栽培化遺伝子 / ジャポニカ / インディカ / 唐古鍵遺跡 / 陣ヶ峯遺跡 / 上東遺跡 / 陣が峰遺跡 |
Research Abstract |
植物の栽培化や動物の家畜化は生物の進化を理解する上で有用である。野生祖先種が現存している場合、栽培種と祖先種との比較が可能である。栽培種の受けた人為選択は自然選択の一つの特別なケースであると考えられ、これらの比較から自然選択が種形成にどのような影響を及ぼしうるのかを考察することができる。また古代の遺跡からは多数のコメ試料(炭化米)が出土する。これらの古代イネのDNAを分析することにより、直接的にイネの栽培化過程を明らかにすることができる。 本年度は炭化米DNA分析のリファレンスとなるデータを拡充するために、葉緑体DNAを用いた現生イネの詳細な分子系統解析を行い、炭化米のDNA分析で得られるデータの解釈に有用な結果を得た。また、ジャポニカ、インディカの成り立ちについて知見を得ることができた。 炭化米の葉緑体DNAを用いた分析は昨年度に引き続き、弥生時代の主要な遺跡である唐古鍵遺跡(奈良県)、中世の陣ヶ峯遺跡(福島県)から出土した炭化米のDNA分析を行い、ジャポニカ、インディカの判別を行った。さらに、朝鮮半島の2000年前の楽浪郡、3000年前の泗川里といった時代の異なる遺跡から出土した炭化米の分析に成功しデータが得られた。朝鮮半島の遺跡は日本へのイネの伝播を明らかにする上で重要である。 栽培化過程で人為選択を受けたと考えられる複数の栽培化関連遺伝子について200以上の現生イネ系統を用いて、DNA配列を決定し、分子系統解析および集団遺伝学的な解析を行った。これらの結果から、現生イネ集団における栽培化関連遺伝子の遺伝的多様性を明らかにできた。また、これらの遺伝子を炭化米で分析する上での基礎を築けた。本年度はPCR法を用いた炭化米の核DNA分析の成功には至らなかったが、今後次世代シークエンス技術を利用して核DNAにコードされた栽培化関連遺伝子についての分析を進める。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)