Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
格子上の多粒子の確率過程である非対称単純排他過程(ASEP)の拡張について研究した。1.バルク部分での脱着を許した多成分ASEPの定常状態について,次のような研究を行った。定常状態において各配列が実現する確率が各サイトの重みの積で書けるための条件,およびその条件下での定常状態の一般的な形を書き下すことが出来た。この結果はJournal of Physics Aに掲載された。2.周期境界の多成分ASEPの定常状態への緩和について研究した(東京大学の国場敦夫氏,堺和光氏,数理システムの沢辺剛氏との共同研究)。モデルのジェネレータ行列HはBethe仮説によって可解である。あるセクターにおけるHの固有ベクトルを別のセクターの固有ベクトルに移す演算子を用いることにより,異なるセクター間でHの固有値の包含関係および双対性を証明した。ここで,セクターとは粒子の数でラベルされるベクトル空間である。この結果は可積分系における新たな性質の発見であり,論文投稿中である。3.待ち行列(Queue)と左端で流入,右端で流出のある完全非対称排他過程(TASEP,一方方向にしか粒子がホップしないASEP)はともに渋滞学の基本モデルである。ここで渋滞学とは実社会におけるあらゆる渋滞現象を数学,物理学,その他の諸科学によって解き明かしその解消も視野に入れた新しい研究分野である。TASEPの左端にQueueを付けたモデルを提唱し解析した。TASEPが呼損系であるという面が解消され,かつ体積排除効果が維持されたモデルであり,応用上もこれを考える意義は大きい。TASEP部分のサイト数が1,2,3,4の場合で定常状態の有無の境目となる臨界線を計算した。この結果は応用力学研究所研究集会「非線形波動の数理と物理」においてポスター発表し,ベストポスター賞最優秀賞を受賞した。
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