養育者の子ども表象が子どものアタッチメントに及ぼす影響プロセスの解明
Project/Area Number | 07J07786 |
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Educational psychology
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Research Institution | Hiroshima University(2008) Kyoto University(2007) |
Research Fellow |
本島 優子 Hiroshima University, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed(Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost : ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008 : ¥900,000 (Direct Cost : ¥900,000)
Fiscal Year 2007 : ¥900,000 (Direct Cost : ¥900,000)
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Keywords | 妊娠期 / 子ども表象 / アタッチメント / 養育行動 |
Research Abstract |
本研究は、妊娠期における母親の子どもについての表象が、生産後の母親の養育行動を媒介として、子どものアタッチメントの発達にどのように影響するのか、そのプロセスやメカニズムについて解明することを目的とした縦断研究であり、本年度はその二年目の成果について報告する。妊娠期から生後18ヶ月にわたる縦断データの結果より、妊娠期に子どもについての表象が「安定型(子どもについての語りが豊かで柔軟で一貫しており、子どもに対する情緒的関与や心理的受容が高い。また喜びや自信などの感情が強い)」であった母親は、「非関与型(子どもへの情緒的関与に欠けており、子どもからの心理的距離が強い)」や「歪曲型」(混乱や葛藤が強く、表象内にある種の歪みや偏りが見られる)であった母親よりも、生後2・6ヶ月の母子相互作用場面において、子どもに対してより敏感であったり、ポジティブな情緒的トーンをより多く表出していた。また、こうした母親の敏感性やポジティブな情緒的トーンの高さが、生後18ヶ月の子どものアタッチメント安定性と関連しており、子どもに対してより敏感でポジティブな情緒的トーンを多く表出していた母親の子どもほど、生後18ヶ月において母親に対するアタッチメントが安定していたことが示された。このことより、妊娠期における母親の子ども表象は、出産後の母親の子どもへの行動に影響し、ひいてはそれが子どものアタッチメント安定性に関連することが認められ、母親の養育行動が媒介的役割を果たしていることが示唆された。また、家族の情緒的雰囲気や夫婦関係、子どもの気質、母親の抑うつ・不安などもまた、直接的、間接的に子どものアタッチメンチに影響しており、これらが複合的に重なり合いながら、子どものアタッチメントの発達に影響していることも確かめられた。今後は、さらに詳細にデータ分析を推し進め、包括的なプロセスモデルの全解明を目指していきたいと考える。
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Report
(2results)
Research Products
(6results)