脂質ラフトにおける効率的なシグナル伝達の分子機構の解明
Project/Area Number |
07J08175
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
須釜 淳 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脂質ラフト / Gタンパク質 / ガングリオシド / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
脂質ラフトはスフィンゴ糖脂質やコレステロールの集積により形成されるマイクロドメインで、情報伝達を効率的に行う場として注目されている。私はこれまでにスズメバチ毒のマストパラン(MP)が脂質ラフトのガングリオシドに結合し、脂質ラフトに局在する三量体Gタンパク質をGαとGβγに解離してGαを細胞質へ遊離させることを見いだした。また、その結果Gタンパク質共役型受容体(GPCR)刺激によるGαシグナルが抑制されると共に、細胞膜に残されたGβγからのシグナルが活性化されることが示唆された。以上のようにMPは非常にユニークな作用機構によりGPCRシグナルの機能制御を行っており、その作用機構の全容解明は脂質ラフトの機能や意義を明らかにする手がかりになると考えられた。そこで本研究ではMPの作用機構の解明を目的とし、MPがGαを細胞質に遊離する機構について検討を行った。 タンパク質の翻訳後修飾はその機能や細胞内局在などに重要である。そこでMPがGαのタンパク質修飾に影響を及ぼすことで局在を変化させているか解析を行った。Gタンパク質の脂質修飾は細胞膜及び脂質ラフトヘの局在に重要であることから、パルミトイル基をbiotin-HPDPを用いて標識し、MPによってGαsの脱パルミトイル化が促進するか調べた。しかしMPはGαsのパルミトイル化には影響を及ぼさなかった。また、リン酸化やモノユビキチン化を受けることによって細胞膜からサイトゾルに局在変化するタンパク質が知られていることから、次にGαs-GFPを発現させた細胞をMP処理後に免疫沈降を行い、Gαs-GFPのリン酸化及びユビキチン化を検討した。しかし、MPによるリン酸化やユビキチン化は検出されなかった。以上の結果より、MPによるGαの細胞膜からサイトゾルへの遊離はタンパク質の修飾系に影響するためではないことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)