Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本年度は,地球表層における放射性核種や核分裂生成物の移動・固定・遅延のメカニズムに関する素過程を解明することを目的とし,以下のような研究を実施した. 核分裂反応によって多量に生成されるZr,Mo,Ru,Rh,Pdから構成される金属微粒子の天然原子炉内における形成過程および核種の長期における移行挙動について考察を行った.本研究で見出された粒子の化学組成,同位体組成はこれまでに見つかっている粒子のそれとは明らかに異なっていることが示唆された.また,粒子のU,Pb,Ru同位体組成からは,これらの粒子内において形成後,水の放射線分解の影響を受けて酸化還元状態が著しく変化し,UやTcなどの核種の溶出が引き起こされたことが明らかとなった. 一方で,天然原子炉周辺に存在するジルコンの希ガス同位体組成を調べることにより,核分裂連鎖反応の影響を受けた場合のジルコン中の希ガス組成を明らかにすること,また,これらのジルコンを用いて,一粒のジルコンから全ての希ガス(He,Ne,Ar,Kr,Xe)を抽出する方法を確立することを目指した.測定によって得られたKr,Xe同位体組成からは,^<238>Uの自発核分裂起源のKr,Xeの他に,わずかながら熱中性子による^<235>Uの核分裂起源のXeが検出された.この結果は原子炉稼動時に放出された中性子が原子炉周辺に達し,周辺部に存在していたジルコン内の^<235>Uの核分裂反応を引き起こしたためであると考えられる.
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