Project/Area Number |
07J08721
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 悟 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 美学 / 中国近代思想史 / 近代性 / 中国美学 / 中国近代美学 / 朱光潜 / 李沢厚 / クローチェ |
Research Abstract |
平成19年4月から8月までの研究では、当初の研究目的通り、中国の近代社会を理解するために是非とも必要である近代中国における(学問分野・概念としての)「美学」に関する研究を行った。具体的には、研究実施計画に沿って、近代中国を代表する美学者朱光潜の美学思想に関する研究を進めた。この作業は昨年度から継続しており、その中間的な成果として、(1)特に1930年代の朱光潜とイタリアの哲学者クローチェとの関係に焦点を当てた論文を発表し、近代的な概念である「美学」の中にそれとは別の伝統を持った「中国」をどのように位置づけるのかという本質的な問題を考察した。(2)さらに、この研究を発展させるべく、後の中国美学を代表することになる季沢厚と朱光潜の間に生じたいわゆる1950年代の美学大論争に焦点を当て、朱光潜が初期から問題にしてきた「美の社会性」という問題を、李沢厚がどのように論じ直したのかを分析した。同時に、近代中国における「美学」ないし「美」の問題に関して、今後日本の関連分野の研究者と問題関心を共有する必要性を強く感じたため、表象文化論学会の場を借りてパネルを主催した。(2)の研究成果は、このパネルにおいて発表した。(3)また、朱光潜の美学思想を「グローバル」な現象である「近代」という広い文脈に置き直すことで、現在に通じる問題を浮き彫りにすることを目的として、ベンヤミンを出発点とし、アンドレ・ブルトンとの関係を考察する研究を行った。この研究は、上海華東師範大学におけるベンヤミンと近代性をめぐるシンポジウムで発表し、今後の研究に大きな示唆を与える議論となった。また上海では多数の一時資料を収集した。今後は朱光潜に関する研究をさらに継続し、当初の予定に沿って蔡元培、梁啓超、王国維、宗白華らの美学思想との関係、また同時代の西洋美学・哲学・心理学・精神医学・精神分析学との関係について研究を進めてゆく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)