Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
一部の初期がんを除いては未だ根治不能であり、そのため、いわゆる「がん告知」は多くの人にとって衝撃である。がんの経過は個別性が大きく、がん告知時に提供されるがんに関する情報は不確実性が高い。疫学調査によって、がん告知後のがん患者は不安や抑うつを主訴とする適応障害、大うつ病が5-40%と高いことが示されている。また情報処理研究から、不安が高いあるいは不安喚起状況下で人は、認知的バイアスにより曖味な情報をネガティブに評価することが示唆されている。また認知的情報処理過程の脳内機序は、これまでの研究から扁桃体、及び帯状回のネットワークが関与していることが推測されているが、未だ不明である。そこで本研究では、(1)不確実性の高い情報提示後のがん患者の不安・抑うつと認知的バイアスの関連を検討すること、(2)がん患者の不安・抑うつの低減するために、認知的バイアスの改善に焦点を当てた介入法を開発することを目的とした。平成21年度は、難治がんの告知の際の患者との情報伝達に焦点を当てた、医師を対象としたCSTプログラムを開発し、がん専門医を対象に無作為化比較試験を行い、統制群と比して介入群は介入後に医師の望ましい行動が増加し、介入群の医師が担当する患者の抑うつ・不安が低くなることが示された。さらに、難治がんの告知に焦点を当てた介入プログラムを開発し、難治がんを有する患者を対象とした無作為化比較試験を行い、患者の評価による有用性の評価を検討した結果、統制群と比して介入群の評価が有意に高いことが示された。また、予備的に評価した家族の評価においても患者による評価同様、統制群に比して、介入群の有用性の評価が高いことが示唆された。以上の結果より、開発された介入プログラムは患者の抑うつ低減、および情報整理に有用であると考えられた。
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