Project/Area Number |
07J08993
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied economics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 愛 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | コーポレート・ガバナンス / 取締役会 / CEO / 内部化 / 取締役会決議 / モニタリング / CEO後継者に関するポリシー |
Research Abstract |
"A Theory of CEO Replacement"では、「CEO」と「Board」にとっての最適なモニタリング・レヴェルと、株主やその他の債権者が「Board」に期待する最適なモニタリング・レヴェルとの間にギャップが生じる事を明らかにしました。具体的には、まず基本的なモデルの構造として、「Board」の行うモニタリングによって能力の無い「CEO」は解任され、より能力のある新しい「CEO」を雇う事で企業価値が高まるという設定をしました。その際「Board」が全体として将来的に得られる利益を企業価値からの一定割合とおきました。この事は一見「Board」が企業価値を最大化すれば「Board」全体としての効用も高くなる為、株主や他の債権者が望む最適なモニタリングを「Board」が行うインセンティブがあるように思えます。しかし、モデルの分析から明らかになった事は「CEO」も「Board」も取締役会決議においてその場に参加している当事者だけで将来の利益を分配したいが為に、モニタリングをすると現在決議に参加をしている「CEO」はクビになり新たな「CEO」(newcomer)が就任する可能性をもたらし、現在の「CEO」が最後まで残ったのであれば得られたであろうボーナスや、来期以降の収入のディスかウンテッド・サムに事実上なる名声(以下ベネフィットと記述)をもらい損ねることになる為、そのようなベネフィットが大きい場合は適切なモニタリングをしないという事です。ここで注意すべき点は、「CEO」自身にとって将来ベネフィットを得られない事は直接的な損失であることは明らかですが、「CEO」以外の「Board」め構成メンバーにとって、現行の「CEO」がベネフィットを得られない事は、彼らの効用に対して間接的な損失として影響を与えるという事です。なぜならば、取締役会決議において、「CEO」と「Board」は「CEO」の給料とモニタリング・レヴェルを内生的にナッシュ交渉を通じて選ぶのですが、「CEO」が将来的に大きなベネフィットを手に入れる事ができるのであれば、そしてその金額が大きいのであれば現在必ず手に入れることができる給料を減らしてもよいが、そのかわり解雇する確率を減らすためにモニタリング・レヴェルも低くするように交渉します。このことは「Board」にとっては彼らの期待利得から支払われる給料を減らすことになり、両者は合意に至ることを明らかにしました。
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