教育的コミュニケーションの言語論的研究―後期ウィトゲンシュタインをてがかりに
Project/Area Number |
07J09038
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 福太郎 (2008-2009) The University of Tokyo, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC1)
渡辺 福太郎 (2007) The University of Tokyo, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 教育的コミュニケーション / ウィトゲンシュタイン / ロンドン大学教育研究所 / イギリスウィトゲンシュタイン協会 / 自我論 / 言語ゲーム / 自我 / 教育関係論 / 後期ウィトゲンシュタイン / 人間学 / 子ども観 |
Research Abstract |
本研究はウィトゲンシュタイン(Ludwig Wittgenstein : 1889-1951)の後期哲学をてがかりに、「教育的コミュニケーション」に関する基礎理論の構築を目指すものである。本年度はロンドン大学教育研究所(Institute of Education, University of London)に研究指導委託の形で半年間(2009年6月~12月)在籍し、ウィトゲンシュタイン研究に従事した。報告者はウィトゲンシュタイン研究の本場であるイギリスで研究に従事することによって、下記の成果を得ることができた。 第一に、イギリスウィトゲンシュタイン協会(British Wittgenstein Society)への参加を通じて、最新の研究成果を把握することができた。現在のイギリスにおいては、いわゆる「最晩年期」ウィトゲンシュタインの思索を「第三のウィトゲンシュタイン」として取り出し、前期/後期哲学という従来の二分法的観点に変更を迫る潮流が、Daniele Moyal-Sharrock氏を中心に形成されている。教育学研究におけるウィトゲンシュタイン受容・解釈がいまだ旧来の二分法的対立図式に依拠しており、最晩年期ウィトゲンシュタインに関する研究が手つかずのままであるという現状を鑑みた場合、今後哲学における最新の研究成果を取り入れることを通じて得られる教育学的意義は非常に大きなものとならざるをえないであろう。報告者はこうした観点から、教育的コミュニケーションにおける言語の問題のとらえ直しを試みる論文を執筆中である。 第二に、教育学における代表的なウィトゲンシュタイン研究者であるPaul Standish氏に師事することを通じて、博士論文執筆に際しての具体的かっ批判的なアドバイスを受けることができた。とりわけ報告者が考察の主軸に据えているウィトゲンシュタイン哲学における自我論の解釈をめぐっては、その解釈のいわば日本独自性が明らかとなり、イギリスにおける主要な解釈との相違点が明らかとなった。その成果の一部は『近代教育フォーラム』第18号(2009年)に掲載されている。これらの成果をもとに、今後は博士論文を早急に完成させることを第一の目標に、研究に従事する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)