Project/Area Number |
07J09069
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Linguistics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 諭 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 談話標識 / 接続語 / FrameNet / フレーム意味論 / 接続詞 / 談話標議 / フレーム / メタファー |
Research Abstract |
本年度は、研究テーマである英語および日本語の談話標識の分析について、(1)関連性理論の観点から考、(2)統計的な指標を用いて分析をすることを主に進めた。また、(3)優秀若手研究者海外派遣事業の機会を利用し、現地研究者とFrameNet(http://framenet.icsi.berkeley.edu/)について議論を深め、文を自動で生成するシステムをウェブ上に構築した。 (1)日本語の談話標識である「ただ」と「ただし」について、関連性理論の立場から分析した。この理論の枠組みを用いれば、「ただ」は文脈への制約を与えるマーカー、「ただし」は想定を部分的に削除するものと規定できる(Uchida 2009)。また、フレーム結合価(下記)では捉えきれない認識的領域にかかわる用法に関して説明を与える有効な枠組みであるといえる。 (2)報告者はこれまで文と文に喚起されたフレームの組み合わせであるフレーム結合価を中心に談話標識の意味記述を行ってきた。本年度は、この枠組みに基づき用例を統計処理できる形でアノテーションを施し、集計・分析を進めた。多義の接続詞であるwhileを例に対応分析の結果、「対照」の意味を表す用法が「同じフレームが喚起される傾向にある」ということが明確となった(内田2010上)。この事実をさらに深く議論するため、対照の意味を主に表す英語の接続詞whereasを例にとり、考察を進めた(内田2010下)。その結果、対照の接続詞の場合、節間に「類似」のフレームを喚起することが明らかになった。このフレーム間の類似性は、FrameNetで定義されているフレーム間関係をたどることで明らかになる。この情報を利用することで、構文的に平行ではない対照の用法に関しても意味的な平行性が規定でき、統一的に扱うことができる。これらの成果は、Uchida and Fujii(2009)で発表した。 (3)2010年1月15日-3月24日までの間、報告者は優秀若手研究者海外派遣事業でUniversity of Califbrnia, Berkeley(受入研究者:Charles J.Fillmore)にて研究を行った。この派遣期間中、FrameNetを基盤にした文の自動生成システムを開発し、「対照」を表す文脈で頻繁に使用されるChange_position_on_a_scaleフレームについて、フレーム要素などの情報を基に談話標識を含む自然な2文を生成できるシステムを作成した(http://realize.mints.ne.jp/FN/index.html)。これはフレーム意味論を用いた文生成システムの礎となるものである。
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