低金属欠乏星の起源と宇宙初期における星形成が銀河進化に及ぼす影響の研究
Project/Area Number |
07J09123
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan (2008) The University of Tokyo (2007) |
Principal Investigator |
長倉 隆徳 National Astronomical Observatory of Japan, 理論研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 理論 / 星形成 / 超新星残骸 / 銀河形成 / シミュレーション / 低金属量星 / 第一世代星 / 星間物理 / 初期宇宙 / 星形成フィードバック / 第二世代星形成 |
Research Abstract |
本年度は低金属環境下での超新星残骸の熱的・化学的進化を、考えられうる初期宇宙の環境下で流体シミュレーションを用いて調べ、誘発的星形成の可能性を調べた。近傍で観測されている超新星シェルは、やがて分裂して次世代の星が形成されると広く考えられていたが、初期宇宙では重元素量が太陽付近の値よりもかなり小さいため、そのシェルの進化は現在の超新星残骸の進化とは異なる。私はシミュレーションの結果と膨張減速シェルの不安定性線形解析の結果を組み合わせて、シェルから星形成が実際に起こり得るかを検証した。 まず、理想的な初期条件から、シェルの進化を計算し、超新星シェルが重力不安定を起こして直接星形成を起こすための条件に制限をつけることができた。従来は、重元素量が次世代性形成に大きく影響すると考えられてきたが、重元素量よりも周囲の密度と超新星の爆発のエネルギーが重要であることが分かった。シェル内部のガスは、水素分子またはHD分子により宇宙背景放射の温度にまで冷えると考えられていたが、実際にはシェル中心は分子の冷却ではなく断熱膨張によって冷えることが新たに分かった。また、膨張によりHD分子が十分に形成されなくなること、低温での宇宙背景放射によるガスの加熱は十分に起こらないことを新たに明らかにした。さらに、より現実的な初期条件を作るため、輻射輸送コードを独自に開発し、超新星爆発前のガスの進化を調べた。その後、超新星爆発が起こったとして、シミュレーションした結果、理想的な初期条件同様、周囲のガスの量がシェル中での次世代性形成に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)