カイコにおけるジーンターゲティングの分子機構とその効率向上
Project/Area Number |
07J09260
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied entomology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
光延 仁志 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | HP1 / アイソフォーム / ヘテロクロマチン形成 / 転写抑制 / クロマチン制御 / 転写抑制効果 / ヘテロクロマチン |
Research Abstract |
前年度のカイコにおいてクロマチン制御機構が他生物と異なる可能性が示唆されたため,本年度はカイコHP1アイソフォームの機能的な相違に着目しながら,カイコにおけるクロマチン制御機構についてより詳細に解析を試みた. 前年度構築した転写抑制効果測定系においてレポーター遺伝子のプロモーターより活性の強いものに変えた場合における転写抑制効果を検証した.HP1αにおいては転写抑制効果が認められなかったが,HP1βにおいては明らかな転写抑制が観察された.前年度の結果と一致するものであり,カイコのHP1はアイソフォームにより局所的な転写抑制活性が異なることが明らかとなった.HP1αは局所的な転写抑制活性は弱いものの,ヘテロクロマチンの拡張に関わるタンパク質との強い相互作用を有しており,構成的なヘテロクロマチン形成に関わると考えられる.両者は互いに相互作用することから,制御領域における両者の相対比による転写抑制活性を変化させ,様々な遺伝子の転写レベルを調整していることが推測された.今回の研究により,HP1アイソフォームの機能的な相違が明らかとなり,昆虫におけるヘテロクロマチン形成機構の基礎的理解が進んだと考えられる.人為的に局所的ヘテロクロマチン形成の阻害あるいはユークロマチンへの誘導を促進することが可能となれば,組換え効率の向上が期待でき,ひいてはジーンターゲティングの効率を向上させることが可能になると考えられる.
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)