近代日本教育成立過程における視覚教育メディアの生成・展開・受容に関する研究
Project/Area Number |
07J09274
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青山 貴子 (古屋 貴子) The University of Tokyo, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 明治 / メディア / 教育 / 娯楽 / 教育メディア / 文化史 / 明治期 |
Research Abstract |
本研究の目的は、明治期の錦絵・挿絵・映写画像などの非言語図像資料を対象とし、これまでの文献研究中心の教育学研究では捉えきれなかった近代日本教育の成立過程を明らかにすることであった。 具体的には、明治期における教育錦絵・幻灯・玩具・視覚イベント(教育幻灯会、映画)などの視覚教育メディアのビジュアル情報分析を行ない、描かれた図像、作られた形象、設定された視覚装置のあり方および使われ方などから、近代日本の教育文化の特性について考察することを目指した。 20年度は、19年度に引き続き、収集した資料のメディア分析を行なったが、特に双六・写し絵・幻灯・活動写真といったメディアに焦点を当て、「遊び・娯楽」といったカテゴリで語られがちであったメディアに組み込まれた教育的意図、あるいは、こうしたメディアを通じて浮上してくる「娯楽」と「教育」をめぐる当時の議論を分析する作業をおこなった。 まず、双六の分析については、明治期に制作された多様な双六絵について「教育双六」という視点から、考察する双六絵の範疇を設定し、それらの双六に「教育」的要素がどのように組み込まれていたのかを、「振り出し」から「上がり」へと向かう双六のゲーム性の中に確認する作業をおこなった。これらの成果は、『生涯学習・社会教育研究ジャーナル』第2号に発表した(研究発表を参照)。 続いて、写し絵・幻灯・活動写真の分析については、「娯楽」と「教育」の関係史を掘り起こすことを目的とし、映像メディアという枠組みのなかで考察した。具体的には、明治前期から後期における映像メディアとして写し絵と幻灯を取り上げ、両者が「娯楽」的存在や「教育」的存在として、人々の生活にどのように位置づいていたのかを確認し教育であり娯楽であるようなメディアが人々に果たしていた複層的な機能を浮き彫りにすることを目指した。 さらに、大正時代の映像メディアとして活動写真を取りあげ、写し絵・幻灯からの変遷として位置づけるとともに、民衆に圧倒的な人気をもって迎えられた活動写真と教育政策との関わりを、規制から奨励への流れのなかに確認する作業をおこなった。そこでは、新しいメディアが民衆娯楽として普及・浸透するなかで、改めて生起してきた「娯楽」と「教育」の関係性をめぐる言説を検討した。これらの成果は、2008年9月に教育史学会第52回大会で口頭発表するとともに、『生涯学習・社会教育学研究』第33号に発表した(学会発表、および、研究発表を参照)。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)