Project/Area Number |
07J09302
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷川 衝 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 球状星団 / 重力波 / 中性子星 / 連星 / N体シミスレーション |
Research Abstract |
連星中性子星は二つの中性子星からなる連星系である。連星中性子星の合体は重力波観測にとって有望な重力波源である。連星中性子星の形成数を求めることは、連星中性子星の合体による重力波の検出率を見積もる上で重要である。連星中性子星の形成過程は二つある。一つは連星系をなす二つの大質量星がそれぞれ超新星爆発を起こし中性子星となることである。もう一つは球状星団内で中性子星を一つ含む連星と単星の中性子星が近接遭遇を起こし、連星のうち中性子星でない星と単星の中性子星が交換されることである。一つ目の形成過程は銀河フィールドのどこでも起こりうるが、それぞれの星が超新星爆発を起こす際に、大部分の質量を失ってしまうため、連星として残る可能性が低い。二つ目の形成過程は球状星団内でしか起こらないが、球状星団内で起こる可能性は高い。過去の研究では、二つ目の形成過程で形成される連星中性子星の割合は全連星中性子星の10-20%にすぎないと結論している。しかし、これらの研究では、球状星団の力学進化の解法に解析的手法やモンテカルロシミュレーションを用いているため、球状星団内の連星中性子星形成率の見積もりが粗い。私はN体シミュレーションを用いて球状星団の力学進化を解き、より正確な連星中性子星形成率を求めた。現在の計算機の性能では、現実の星団の星の数に匹敵する粒子百万体の星団モデルのN体シミュレーションは不可能である。そのため粒子八千体から三万二千体の星団モデルのN体シミュレーションを行い、そこで形成された連星中性子星数を現実の球状星団に外挿した。その結果、比較的中心密度の高い球状星団では50億年あたり300個の連星中性子星が形成され、それらすべてが宇宙年齢よりはるかに短い時間で合体することが明らかになった。このように中心密度の高い星団は銀河系内に30個程度存在するため、球状星団起源で合体する連星中性子星は銀河系内で10000個存在することになる。これは観測から予想される銀河系内の連星中性子星の合体率に匹敵する。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)