電子衝撃加熱法による振動励起状態の酸素分子の内殻共鳴状態の研究
Project/Area Number |
07J09424
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
田中 隆宏 Sophia University, 理工学部, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 原子・分子物理 / 内殻励起 / 軟X線光化学 / 精密分光 / 熱励起分子 |
Research Abstract |
本研究を遂行するにあたり、大型放射光施設(SPring-8)の軟X線光化学ビームラインBL27SUの光源が必須となるため、課題申請(年2回申請)を行った。その結果、2007年前期・後期(2007A・B期)両方のビームタイム申請が採択された。 先ず、2007A期のビームタイムは2つの期間に分かれており、第一期5月20〜22日の48時間と第二期7月4〜5日の24時間で実験を行った。第一期では、本研究で新たに設計・開発した電子衝撃加熱法を用いた分子線加熱装置の動作確認を主に行った。その結果、溶接部分や電極の配置等に改良する必要性が確認された。この結果を踏まえて装置の改良を行い、第二期のビームタイムの準備を行った。第二期のビームタイムは24時間と短かったため、装置の動作確認のみを行った。その結果、900Kまでの分子線の安定加熱に成功し、新たに開発した装置の性能が確認された。 次の2007B期の実験は、9月22〜24日の48時間で行った。上述のように2007A期で装置の動作確認に成功したため、このビームタイムでは新しいデータの測定を主に行った。前回以上の加熱時間に関わらず装置の安定動作に成功し、内殻励起過程における形状共鳴の温度依存性や、振電相互作用の始状態依存性等の新しい実験結果を得ることに成功した。2007年秋に、加熱分子線の研究結果の一つをアメリカの物理学会誌である『Physical Review A』に、Vibration-induced suppression of valence-Rydberg mixing in the 01s→nsσ Rydberg series in N_2O、という題目で投稿した。その結果、2007年12月に同誌に掲載が決まり2008年1月に掲載され、研究成果の発表を行った。この他にも9報の学術論文を発表した。本研究により軟X線光化学反応に関する新しい実験的知見を得ることに成功した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)