算数授業における知識構築過程の検討-教室談話とインスクリプションの分析
Project/Area Number |
07J09672
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 麻沙美 The University of Tokyo, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 算数授業 / 比較研究 / 授業観察 / 談話分析 / 算数授業研究 / 学習過程 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度のまとめた日本・中国・シンガポールの算数教科書比較分析の成果を踏まえ、シンガポールと日本の算数授業の比較検討を行うための、フィールドワークを行った。本研究では、シンガポールでの算数授業の観察だけでなく、担当する教師へのインタビューも行っている。また、シンガポールの算数・数学教育の現在の動向、課題、教師の現状をとらえるために、シンガポールの算数・数学教師が参加するteacher conferenceに参加し、資料を収集した。 まず、シンガポールで行った算数授業の参与観察によって得られた授業データから、以下が示された。シンガポールでは、習熟度別でクラスが編成されている。今回参与観察を行った学校・教室は大規模校最上位クラス、小規模校中位クラスである。最上位クラスでは、教師が児童に説明を行わせる活動が多く、中位クラスではペアワークによる活動が中心ではあったが、どちらも授業課題が簡潔であり、課題に合わせて明確な活動を展開する授業が教師の発話によって導かれている。そのため、学習者はすでにある唯一の正解を得るための探索的な活動を展開していた。また、インスクリプションの使用に関しては、日本とシンガポールは、定形化された図的表現を使用する点で類似性が高い。なお、シンガポールではそのような図的表現を活用する算数学習は「モデルマス」と呼ばれる。日本と同様、図的表現をめぐる教室でのやりとりが展開されるが、日本ではその図的表現の表象や読み取り方が強調されるが、シンガポールでは定形的な使用法を思いだすことで活用へと向かう手続きを重視する授業が展開ざれる特徴が、教科書同様、授業でも見られることがわかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)