皮質-視床下核(ハイパー直接路)が運動制御において果たす機能の解明
Project/Area Number |
07J10515
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
纐纈 大輔 Kyoto University, 霊長類研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 視床下核 / 大脳基底核 / 運動 / 淡蒼球 / 黒質 / 運動制御 / 細胞活動記録 |
Research Abstract |
前年度までの研究で運動皮質からStnへ投射するニューロンのみを選択的に破壊し、黒質網様部(SNr)の神経活動を測定した結果、大脳基底核内の「ハイパー直接路」は皮質刺激に対して早いタイミング(数ミリ秒)で起こる興奮反応を引き起こしていることが分かった。また運動皮質からStnへ投射しているニューロンを選択的に破壊したのちにマウスの運動量を測定してみると、破壊していないコントロール群と比べて有意に運動量が増加しており、以上の結果は「ハイパー直接路」が運動皮質の不必要なニューロン活動を抑制する役割を持つという考えを支持する結果となった。 本年度の研究では、もう1つの大脳基底核への入力神経経路である、運動皮質から線条体へ投射しているニューロンを選択的に破壊した場合の生理学的、行動学的な変化を調べた。正常なマウスのSNrは皮質刺激に対して早い興奮-抑制-遅い興奮の三相性の反応を示す。しかし運動皮質→線条体ニューロン選択的破壊をしたマウスのSNrではこの三相性反応のうち抑制と遅い興奮の程度が有意に小さくなった。これは皮質→線条体破壊によって「直接路」と「間接路」が遮断され、線条体からGPiとGPeへの抑制性の入力が弱くなったことによるものと考えられる。そして選択的破壊をした後の運動量を測定したが、この場合はコントロール群と比較して差は認められなかった。この結果は大脳基底核の出力部位であるSNrで記録される皮質刺激に対する三相性の反応の内、抑制と遅い興奮はそれぞれ「直接路」、「間接路」に由来することを強く示唆するものである。 本研究では大脳基底核内の神経回路の機能を明らかにし、「ハイパー直接路」と「直接路」・「間接路」が別の経路に由来するものであること示し、さらに「ハイパー直接路」の機能として運動皮質の不必要なニューロン活動を抑制する役割があることを示した。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)