帰納的推論過程の数理モデルの構成-言語データの統計解析を用いて-
Project/Area Number |
07J10560
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂本 佳陽 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 帰納的推論 / リスク / 人格 / 計算モデル |
Research Abstract |
1.帰納的推論におけるリスク的状況の違いとパーソナリティとの関連に関する検証 前年度に解明したリスク状況下における帰納的推論のメカニズムに関し、パーソナリティとの関連を検討した。方法は心理実験と計算モデルのシミュレーションによる。心理実験の結果から、人は帰納的推論における同じargumentに対し、リスク回避の方向に応じて異なる評定をすることが前年度確認されたが、その効果はBIG5における神経症傾向の強い被験者に関しては確認されなかった。前年度におけるモデルのシミュレーションでは、異なるリスク的状況による実験結果を、推定されたパラメータの違いからうまく再現することができていたが、このパラメータは、状況の違いのみならず、被験者のパーソナリティによっても異なることが明らかになった。 2.帰納的推論におけるカテゴリー選択と統語的構造の関連に関する検証 現在まで構築してきた帰納的推論モデルにおいて用いてきた言語データの統計解析結果は、ひとつの名詞が複数のカテゴリーに属しうることを示唆している。さらに、その名詞が動詞の「主語」である場合、動詞の「目的語である場合」では、同じカテゴリーとなる名詞が異なることも示唆している。ここから、帰納的推論においても、前提の対象が空白の述語の「主語」である場合と「目的語」である場合では、帰納メカニズムとして選択するカテゴリーが異なるであろうと予測し、シミュレーションを行った。同様に前提の対象が空白の述語の「主語」である場合と「目的語」である場合を比較する心理実験を行ったところ、モデルが予測した通りの結果を得た。このことから、帰納的推論におけるカテゴリー選択は、名詞と述語の格関係という統語的構造と深く関連することが明らかになった
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)