Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
人間の日常生活空間や自然環境,災害現場などの複雑な作業空間において,予測困難な障害を克服しつつ与えられた目標運動を達成できる器用さを備えた機械装置を開発するため,運動空間の自由度を遙かに上回る多数のアクチュエータを具備する超多自由度ロボットに,ねじりコイルばねを付加した回転関節の直列連鎖を有する弾性閉ループ機構を組み込み,複数のリンクの位置・速度に加えて任意の物体との接触点における作用力の分布をも制御可能とする,柔軟性制御則を構築した. まず,冗長弾性閉ループ機構を電磁アクチュエータを有する2本の直列連鎖(アクチュエータ部)とねじりコイルばねを有する直列連鎖(ばね部)に分け,アクチュエータ部の順運動学解析で得られたばね部端点の位置と,各ねじりコイルばねに蓄えられる弾性エネルギーの総和の最小化に基づき,ばね部の関節角を求めた.次に,ばね部の各リンクに加わる外力とそれにより生じる変位との関係を表す出力剛院を定式化し,その関節角による偏微分から与えられた出力剛性分布指令値との残差を最小化するばね部関節角変位を求めた.この関節角変位をアクチュエータ部の関節角入力へ逆運動学解析を用いて変換し,ロボットを駆動するが,出力位置が所望の点から外れるのを防ぐため,誤差履歴線形和学習制御に基づく学習制御則を同時に適用し,関節入力を補正する.以上が構築した制御則の概要である. 本制御則の有効性を,試作平面10R冗長弾性閉ループマニピュレータロボットを用いた実機実験により検証した.ロボットを柔軟性制御則を用いて制御し,複数の剛性分布指令値を与えた際の各リンクにおける出力剛性分布が所望の値となっていることを確認した上で,2台のロボットを用いて複数の形状・材質の物体に対する把持実験を行った.提案手法の適用により,ロボットが多様な物体の把持を的確に行えることが確認され,提案手法の妥当性,有効性を確認した.
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