渦鞭毛藻との共生と白化現象に関与するサンゴ遺伝子の解析
Project/Area Number |
07J10602
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
湯山 育子 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 造礁サンゴ / 褐虫藻 / 細胞内共生 / 白化現象 / 遺伝子発現解析 / オートラジオグラフィー |
Research Abstract |
サンゴと渦鞭毛藻の細胞内共生に関与する遣伝子を単離するために、渦鞭毛藻の共生した稚サンゴと共生していない稚サンゴを作した。それらのサンゴで発現する遺伝子をHiCEPにより比較し、渦鞭毛藻共生時に発現変化する遺伝子の単離を行った。これまで、25個の遺伝子の単離に成功した。脂質代謝に関わる遺伝子(Lipase,peririlin),イオン輸送に関わる遺伝子(sulfate transporter,Na/K ATPase),電子伝達系に関わる遺伝子(NADH-Ubiquinon oxidoreductase)等が細胞内共生に関与する可能性が示唆された。 次に、cDNA AFLP法で単離した遺伝子が、サンゴの白化の際にどのように発現変化るのか、リアルタイムPCR法で確認した。その結果、白化の際に発現変化する遺伝子が7個得られた。これらの遺伝子はサンゴと渦鞭毛藻の細胞内共生に重要であると共に、サンゴの白化にも関与していると考えられる。 この中でも、硫酸イオントランスポーターは渦鞭毛藻の共生時と白化時で発現が上昇することがわかったため、硫酸イオンのサンゴ組織内での動態を調べる事にした。オートラジオグラフィーによりサンゴ組織内への硫酸イオンの取り込みを調べたところ、^<35>SO_4^<2->は細胞内共生している褐虫藻の周辺に顕著に見られ、造骨細胞や粘液が蓄えられている外胚葉にも観察された。 以上の結果から、サンゴ組織に取り込まれた硫酸イオンの多くは褐虫藻に輸送されている事が示唆された。サンゴの粘液と骨には硫酸化多糖が存在するため、褐虫藻内で造られた硫酸化多糖類がサンゴの骨形成や粘液の合成に利用されている事が考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)